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葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 round48!!

534 :さおりんと祐くんのらぶらぶな日常 後編(6):01/11/27 19:19 ID:zRANiWa0
茶色に染まった芝生。
殆どが木から落ちてしまった銀杏の葉。
さびしそうに光っている街灯。
そんな風景を見つめていたら、沙織ちゃんがふと口を開いた。
「今日は…ごめんね」
「えっ?…ってあの遅れたってこと?」
「そうじゃなくって…
 今日は、祐くんを無理に連れ回しちゃってごめんって」
「そんなことないよ。あのあんみつ、おいしかったし」
「でも…あのお店って女の子ばっかりでしょう?祐くんには居心地が悪かったんじゃないかなあって。
 私、なんとなく分かっちゃったんだ。なんだか祐くんはここにいるのが辛いんだなあ…っていうのが」
「………」
何も言えなかった。
沙織ちゃんを傷つけたくなくて隠そうとしていたのに、こんなにあっさりとばれてるとはショックだった。
辛かった。自分は何をしているのだろう、と。
「でもね」
沙織ちゃんが再び口を開いた。
「それなのに、祐くんは文句一つ言わずに私についてきてくれた。すごくうれしかったよ。
 こんなに優しい人を見つけられて良かったなあ、って神様にいくら感謝しても足りないくらい」
「………え」
「だからね、今日は本当に…」
「ありがとう」
その台詞が終わるのと同時だった。僕が何も言えないうちに、沙織ちゃんと僕は唇を交わしていた。

535 :さおりんと祐くんのらぶらぶな日常 後編(7):01/11/27 19:20 ID:zRANiWa0
「………」
「びっくりした?」
「………うん、すごく」
放心状態でそう答える僕に、沙織ちゃんは言葉を続ける。
「今日のはね、ちょっとした乙女のいたずら」
「いたずら?」
「そ。ちょっと周りの人に見せ付けてみたくなって。
 でも…なんだか祐くんを試すみたいな感じになっちゃって…だから本当にごめんなさい」
「…でもさ、沙織ちゃんはこれで僕のことを認めてくれたんでしょ?」
「結果的には、そうなっちゃったけどね」
くすっ、と沙織ちゃんは笑う。
「じゃあ…いいんじゃないかな」
今度は僕の方から抱きしめ、長く、そして優しいキスを交わした。

「それじゃあ、今日は私もう帰らなきゃならないから。ごめんね」
「いいよ、気にしなくて」
「うん、それじゃあね」
家に向かって走っていく沙織ちゃんを見えなくなるまで見送り、そして木枯らしの吹く夜空を眺めた。
今日は一段と寒い。冷え込みも激しくなってきたようだ。
「冬…か」
沙織ちゃんへのクリスマスプレゼントはなんにしよう、などと考えつつ僕も家路につくことにした。
風は冷たいが、僕の唇に残った温もりはずっと消えないような…そんな感覚とともに。

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